10月31日付 日経 総合・政治面 公共工事削減で自民、苦肉の策 業界に配慮受注防止
自民党が、公共工事のダンピングを防ぐための対策を織り込んだ決議書をまとめたという。 それは、最低制限価格制度であるのだが、来年の参院選を睨んだ配慮だという見方がされている。
私は、例えそれが参院選の票集めを目的とする助平根性であれ、ぜひ早急に実施していただきたいと願う。付け加えておくが、私はゼネコン関係者でもなんでもない。
最低価格制度は、自由競争社会を否定するものとする向きもきっとあるだろう。しかし、それがなければ、健全な工事が行われないのも事実なのだ。
工事受注額が低すぎれば、落札業者は更に低額で下請けに丸投げする。すると、下請け業者は、コストカットをするしかなく、手抜き工事や、更には従業員の強制労働へと転嫁していくわけである。コンクリートを薄めるかもしれないし、作業員に二人分の労働を強いる原因になりかねないと思うのだ。
すると、不良工事を生み、事故に繋がる恐れもあるだろう。最終的な皺寄せは、一番弱い底辺の労働者に及ぶのだ。
建設物価という本がある。そこには、建設に必要な資材の価格が表にされている。少々、専門的だが、丸棒(鉄筋)やH型鋼(鉄骨)は相場商品といって、時価の商品だから、その建設物価に掲載されて価格が公けにされる必要度は高い。
しかし、相場の商品でないのも掲載されていて、歪が生じているのだ。例えば、グレーチングという鉄鋼の二次製品(鉄鋼メーカーの生産した製品を更に加工して付加価値をつけた製品のこと)がある。これは本来、相場がある商品ではない。メーカーが作っている価格表があるのだ。
ところが、それが建設物価には、まるで相場商品のごとくメーカーの希望価格とはかけ離れた金額で掲載されているのだ。もちろん、安い金額で。これも、やはり皺寄せが下に下に流された結果ではないかと思うが、皆さんはいかがだろうか。
小泉前総理の政権下で、徹底的に公共工事の削減が行われた。さらに、長野では脱ダム宣言を唱えた田中前知事。
こうした状況下、マスコミの報道も相まって、あたかも公共工事は悪との印象が強すぎるのではないか。確かに、公共工事には談合、天下り、議員へのキックバックという、いやらしい要素が隠されている。しかし、それは公共工事が悪いのではなく、悪用している輩が悪いわけで公共工事をなくせば解決するという発想ならば、本末転倒だろう。
地方の経済がなぜ回復しないのかは、公共工事の減少に原因があるのは明らかだ。倒産企業の業種トップはいつも建設業だが、建設に付随する産業は少なくなく、無視出来ない現実を見直すべき時ではないだろうか。
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コメント
改めなければならないのは、公共工事そのものというよりは、それに群がる人たちのことなんですよね。
いつのまにか、不正の温床となる公共工事が、悪だと思っていました。
投稿: ぴゃんす | 2006年11月 1日 (水) 01時42分